意味がわかると怖い話風な、意味のない話

毎日即興で意味ありげな話を書いているので、皆さんが深読みをして怖い話にしてください。他力本願型エンターテイメントです。

ぬいぐるみ

娘の誕生日にくまのぬいぐるみを買ってあげた。最初はとても喜んでいたが、すぐに全く遊ばなくなった。嫌いになっちゃったのと聞くとだって臭いんだもんとのこと。試しにくまを顔の近くにもってくると確かに臭い。なにかが腐ったような臭いがする。かわいそうなので新しいものを用意した。

親戚のおばさんから蟹が送られてきた。こんなこと始めてだったのですぐに電話しお礼を言った。商品にならない訳あり品がたくさん手に入ったので送ってくれたとのこと。一人暮らしを始めてから蟹なんて食べてなかったからとてもありがたい。食べてみると不自然に折れた足ばかひだ。訳あり品とはこういうことか。それにしても蟹ってこんな味だったっけ?久しぶりだから忘れてしまった。

プール

子供の頃お父さんと一緒に市民プールに行った。一人で泳げるようになっていた僕は黙々と泳ぐことに集中していた。ふと顔を上げるとさっきまで座っていたベンチにお父さんの姿がみえない。どこだろうと探すと反対側のベンチの前で知らない人と話していた。お父さんも

楽しそうでよかった。市民プールは最高の思い出だ。

盗聴器

なんだか最近部屋に一人でいる時に誰かに見られている気がしていた。専門家に頼み調べてもらうとリモコンの中から盗聴器がでてきた。誰が仕掛けたのか気になるがとりあえずは一安心だ。これでようやくゆっくりと仕事ができる。

イタズラ電話

イタズラ電話って本当にむかつく。最近毎日かかってきやがる。でても何も話してこないし目的はなんなんだよ。だから聞いてやったんだお前誰なんだよって。そしたらさ、まさかの外国人。全然わかんない言葉で話してきやがった。そういやあれ英語じゃなかったな。

ヒロシ

小学校の頃ヒロシというやつがいた。ヒロシの家はとても貧乏でいつもよれよれの服を着ていて、なんとなく皆んなから嫌われていた。そのヒロシを今日駅で見た。14年ぶりなのだが一目でヒロシだとわかったんだ。声をかけるとジッと見つめてきて、一言こう言った。

「ささき。」

誰と間違ってんだよ、と言おうと思ったがもうヒロシは立ち去っていた。ふざけたやつだ。

ケーキ

喉が渇いたのでお茶を飲もうと冷蔵庫を開いた。なかにケーキが入っていた。しかもホールで。誰も誕生日じゃないのにな、そう思いお母さんに尋ねると父のだと言った。親父帰ってくんのか、僕は部屋に入りケーキを食べた。