意味がわかると怖い話風な、意味のない話

毎日即興で意味ありげな話を書いているので、皆さんが深読みをして怖い話にしてください。他力本願型エンターテイメントです。

終電

久しぶりに会った友人との会話が弾んでしまい、駅に着いた頃には終電はとうに出た後だった。タクシーで帰ろうと思い、乗り場に行ってみたがちょうど出た後で一台も止まっていなかった。徒歩で帰る道を検索してみると2時間かかるようだ。さすがに諦めた。漫画喫茶にでも泊まるか、しかし週末の混雑で満室のようだ。途方にくれていると電車の音がした。始発が来たようだ。これで帰れる。

山登り

大学の頃仲良しグループ5人組で山登りに行った。AとBは楽しそうにどんどん登って行く。僕とCは体力に自信がないのでもっと休もうと提案した。AとBは全く話を聞いてくれなかった。ついに今まで黙っていたJが口を開いた。

「A、B!CDの話聞けよ!」

Jのおかげで仲良く頂上まで辿り着くことができた。

色鉛筆

6歳の誕生日に色鉛筆を貰った。嬉しくて嬉しくて毎日絵を描いた。赤が一番早く短くなっていった。次は緑。黒はずっと長いままだった。

7歳の誕生日また色鉛筆を貰った。青が短くなっていった。次は緑。黒はずっと長いまま。

色んな絵を描けて楽しかった。

15年も前の話だ。鍵を拾った。交番に届けに行くとパトロール中で誰もいなかった。帰ろうとするとちょうどお巡りさんが戻ってきた。鍵を渡そうとすると、どこで拾ったのと聞かれた。答えるとありがとうと言い奥へ消えて行った。とても疲れた。

 

カレーライス

我が家では良いことがあるとカレーライスが出てきた。テストで100点とった日も、かけっこで一等賞の日も、学芸会の主役が決まった日もカレーライスだった。卒業式もカレーかなと思ったけどその日だけは違うものが出てきた。でもそれはそれで嬉しかったなあ。

高速道路

もっとスピードを出そうと思った。だってここは高速道路だし。もっともっとスピードを出そうと思った。エンジンの調子はすこぶる良いし。もっともっと、もっともっとスピードを。目的地まであと少しだから。